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社内エンジニアリングチームにおけるGenAIおよびLLMへの大規模投資の落とし穴への対応

大規模言語モデル(LLM)や生成AIは、エンジニアリング分野でも大きな可能性を持っています。一方で、過度に依存すると、ハルシネーション、セキュリティ上のリスク、コストの増大といった課題が生じるおそれがあります。トム・ベイカーは、エンジニアリングチームが重要な判断を行う際に、信頼できるデータに基づいて意思決定できるようにするためのポイントを解説しています。

社内エンジニアリングチームにおけるGenAIおよびLLMへの大規模投資の落とし穴への対応

社内のエンジニアリングチーム向けに生成AIへ大きく投資することは、大きな変化をもたらす可能性があります。一方で、AIが生成した情報をもとに重要な設計判断を行う場合には、一定のリスクも伴います。

懸念される点の一つが、ハルシネーションのリスクです。生成AIモデルは非常に高い能力を持つ一方で、学習データの範囲を超える問いに対して、不正確な情報や実在しない内容を生成してしまうことがあります。設計に関わる重要な判断を行うエンジニアリングチームにとって、こうした誤った提案やデータの解釈ミスは、コストの増加やプロジェクトの遅延につながりかねません。厳密な検証の仕組みを設けないままLLMに依存すると、成果物の品質や信頼性を損なうおそれがあります。

さらに、データセキュリティの問題もあります。多くの企業では外部の生成AIサービスを利用しており、その場合、社内の機密データをクラウド上のLLMに送信する必要が生じます。独自の技術情報などを扱う企業にとっては、情報漏えいやデータ流出のリスクにつながる可能性があります。また、航空宇宙・防衛分野のように規制の厳しい業界では、企業のファイアウォール外へデータを送ること自体がコンプライアンス上の問題になる場合もあります。

さらに、LLMにはコストの問題もあります。大量のデータをLLMに送って処理させる場合、とくにその作業がLLMに適していない場合には、効率が下がりコストが膨らみやすくなります。こうした状況が続けば、エンジニアリングチーム全体でAIの活用を拡大しようとしている企業にとって、長期的には負担の大きいものになりかねません。

LLMを活用する前に、実績あるNLP検索技術を使うことの価値

より効率的な方法としては、まず実績のある自然言語処理(NLP)検索技術を活用することが挙げられます。たとえばAccurisのGoldfireです。最初の段階でNLPシステムにデータ検索を行わせることで、より関連性が高く正確な情報を取得できます。こうした方法であれば、LLMはゼロから回答を生成する必要がなく、確認済みの結果を整理・補足する役割に集中できるため、ハルシネーションのリスクも抑えられます。さらに、Goldfireの特長の一つは、技術情報に特化している点です。多くのNLPサービスは汎用的な「万能型」のアプローチを採っていますが、Goldfireは技術データの活用を前提に設計されています。

さらに、この検索処理をファイアウォール内で実行することで、データの安全性も確保できます。機密性の高い情報を自社のインフラ環境内で処理できるため、データ保護規制への対応を維持しながら、独自の設計情報や営業秘密を守ることが可能になります。 検索の段階をオンプレミスで行えば、データの管理と統制を最大限に保つことができます。そのうえで、LLMは高度な処理能力が本当に必要な場面に限って活用することで、より適切な形でAIを利用できます。

このハイブリッド型のアプローチは、コスト面でも効率的です。LLMに送るデータを必要なものだけに絞ることで、処理負荷を大きく抑えることができ、その結果、大量データの処理に伴うコストも削減できます。これにより、LLMは本当に価値を発揮する場面に限定して活用でき、生成モデルの能力を無駄なく使うことができます。

LLMや生成AIは、エンジニアリングチームに新たな可能性をもたらします。一方で、これらに過度に依存すると、ハルシネーション、セキュリティ上のリスク、コストの増大といった問題につながるおそれがあります。そのため、まず実績のあるNLP検索技術で必要な情報を抽出し、その結果をもとにLLMで後処理を行うという方法が有効です。このような使い方であれば、精度を保ちながらデータの取り扱いにも配慮でき、コストも抑えやすくなります。結果として、エンジニアリングチームが下す重要な判断を、信頼できるデータに基づいて進めることができます。

Goldfire by Accurisの詳細については、当社ウェブサイトのGoldfireページをご覧ください。

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